Saturday, June 14, 2014

西田公昭 『マインドコントロールとは何か』"What Is Mind Control?"

Nishida, K. (1995). Maindo kontorōru to wa nani ka. Tōkyō: Kinokuniya Shoten.



意思決定という個人の内的な活動には、[ボトム・アップ情報とトップ・ダウン情報の]二種類の情報を常に利用している。・・・[後者を]「ビリーフ(belief)という。(p.58-59)

ハッサンはマインドコントロール[に使われるボトム・アップ]情報を「燃料」にたとえている。(p.61)

ビリーフは記憶からつくられている。・・・古いビリーフ・システム[は]発達こそしないがほこりをかぶった古い機械のように、思考の作業場の片隅に放置されているような状態と考えられる。・・・つまりビリーフ・システムの変換というのは・・・単に新しいシステムを形成させて活動させ、なお古いシステムを活動させないでおくというようなものである。(p.82)

マインドコントロールへの抵抗と防衛、そして現代社会
How to Protect Yourself from Mind Control (excerpts)
  (1)時と場合によっては、規範を逸脱する実習をする。「ちゃんとしていないと相手に悪い」とか「きちんとしよう」と必ずしも思う必要はない。
(2)「私がまちがっていました」「すいません」「私が悪かった」とあやまる実習をする。人は、つい自分をよく見せようとしすぎて、相手の勧誘に断れなくなることがある。途中で自分の本心とちがう誘いであることに気づいたら、直ちにその場から逃げ出すようにしよう。
(3)卑近な問題や状況を「型にはめる」ために用いる、ものの見方に注意を払おう。そのような他人のものの見方を受け入れてしまうと、その場において、相手を優位に立たせてしまう。・・・
(5)人は他者からの愛や行為に弱いものである。いかなる対人状況であっても、相手と少し距離をおき、相手や自らに対して「私は、あなたがいなくても、ひとりでやっていける」と言うのをいとわないことである。
[ (5) People are vulnerable to mind control techniques that are camouflaged with affection or kind actions. You should keep distance from any kinds of relationships, and do not mind saying to them: “I can be independent from you.” ] 

(6)どうすべきかが明白でないとき、不確かな行動をすぐにとるのではなく、時間をおき、歪曲の無い公正な意見を得てから行動しよう(註:エポケー)。答えを保留することは、恥ずかしいことではなく、そこには否定的な意味は何もないと知るべきである。・・・
(8)役割関係、制服、権威の象徴、集団圧力、規則、見かけの合意、義務、コミットメントなど、強いて従わなくては行けない様な、いかなる状況の拘束力にも敏感になろう。・・・
[ (8) In whatever circumstances, be cautious to power such as social roles, symbols of authority, uniforms, peer pressure, which would bind you to obey.]
(14)重要な評価や判断をするときには、少し冷めた目で、一歩さがってみつめ直そう。策略をめぐらす人との接触においては、感情移入しないことが肝心。
[ (14) In an important decision-making and judging, step back and cool yourself down. Don’t get empathized with people who play tricks on you.]
(15)みせかけの動機に惑わされたときには、貪欲さや自己を増長させるようなお世辞がマインド・コントロールしようとする者を調子づかせてしまう。最も自分が信頼している人なら、この場合、どう考えるだろうかと思い浮かべてみる。・・・
[ (15) Your greed and conceit generated by flattering will elate the person who attempts to mind control you. Imagine what the person whom you trust the best would think about this situation.]
(17)人は一般になれた情況では自動的に行動してしまいがちである。いつも自分が置かれている情況で、自分がやっていることに注意深くなろう

[ (17) Under whatever circumstances, be mindful to what you are doing.]

(18)時としては、行動に一貫性は必要としない。「信頼できる」人にならなければならないと固執してはいけない。
(19)非合法的な権威に対しては、いかなるときも拒否しなくてはならない。
(20)手続きや規則の変更が不公正に行われたならば、口頭での反対や情緒的な反対では不十分である。そうしたことに対して、従ってはならないだけでなく、公然と批判し、反抗し、挑戦すべきである。

・・・一時的マインド・コントロールに対処する場合、返報性、一貫性、好意性、希少性、権威性といった状況の拘束力に注意すべきである。もし、これらの社会的影響力が働いて、個人の自由度が限定されてしまわれそうな感覚を認知したなら、すぐさま、その場をとりあえず離れる努力をしたほうがよい。たとえ、そうすることによって失うものがあっても、それは一生の問題と比較すれば、大きな問題ではないとみなしてまちがいなかろう。
また、永続的マインド・コントロールに対処するには、何となく納得してしまいそうでありながら、どこかしっくりこない内容の話や、他者の合意、一方的な権威といった、社会的リアリティに注意しよう。そういう感覚を認知したなら、判断を保留にして、知る限りのあらゆる方法を用いて、さまざまなチャンネルからの情報を集めてみる。そして、決断を下す前に、それをできる限り、客観的に吟味しよう。特に、自分がよく知らない問題に対しては、いくら相手がそれにくわしそうであっても、また相手の意見を受けいれることですっかり個人的にはすっきりと問題が解決しそうであっても、そうした信頼は「装える」ことを知っておく。
さらには、何か集団のメンバーとなっていても、もし何か矛盾する事実に突き当たったら、徹底的に疑ってみることが大切である。もし、個人が疑うことに対して、何か罪的な否定的意識を教えこまれているとしたら、それは科学的思考を一切否定していることと知るべきだ。
(p.p.224 – 227)