Tuesday, November 24, 2015

『他人を攻撃せずにはいられない人 』 片田珠美

Katada, T. (2013). Tanin o kōgeki sezu niwa irarenai hito. Tōkyō: PHP Kenkyūjo.


巧妙に罪悪感をかき立てる

この罪悪感は、さまざまな影響を及ぼすが、何よりも深刻なのは、自己主張を妨げ、自己懲罰を引き起こすことである。その結果、能力を充分に発揮できなくなることさえある。・・・当然、何をやってもうまくいかなくなるが、これは、攻撃欲の強い人にとっては思うつぼである。そっと忍び寄り、罪悪感を一層刺激しながら、劣等感をチクチクとつついて、支配しようとする。(p.99)
なぜ他責に走るのか。それは「すごい自分」という自己愛的メッセージと現実とのギャップを、自分では埋められないために、他人のせいにすることで万能感を維持しようとするからである。
 (p140)


羨望に突き動かされて
ターゲットを孤立させるのも、攻撃欲の強い人の常套手段である。
従事している仕事や活動をけなしたり、せっかく築いた人間関係にけちをつけたりして、徐々に他の人とのつながりを断ち切るように仕向けていく。・・・これは、ターゲットが他の人との交流によって考えを変えたり、支えてもらったりするようになるのを防ぐためである。そんなことになれば、影響力を行使しにくくなるので、シャットアウトするわけである。
 ・・・このように孤立させようとするのは、自分のあずかり知らぬところで、ターゲットが能力を発揮したり楽しみを見出したりすることに耐えられないからでもある。(p.p.121-122)

 攻撃欲の強い人は、自分の目的を達成するまでは、決して変わらない。・・・目的とは何か?破壊である。ターゲットを壊し、ターゲットがやっていることをむちゃくちゃにしようとする。

こういう人が態度を変えることがないわけではない。いつか?ターゲットが打ちのめされて、へこんだときだけである。(p.p.188-189)

 嘘つきの周囲にも、嘘を信じてうなずいたり、おもしろがったりする人がよくいる。こういう人が嘘つきを可能にする「イネイブラー[enabler]」の役割を果たしているからこそ、虚言癖はなかなか治らないのである。
 それと同じように、攻撃欲の強い人の周囲にも「イネブラー」が存在することが多い。たいていは、親切で優しく、他人の悪意を疑うことなどせず、傷けられてもできるだけ早く忘れて笑顔で接しようと思っているような人である。当然ターゲットにされやすい。…さんざん痛い目に遭わされているにもかかわらず、言い返さずに黙々と働いていればいつか相手の態度が変わるのではないかと淡い期待を抱いている人がいることである。
 そんなことはほとんどありえない。こちらが誠心誠意やっていれば向こうがそれに応えてくれるだろうなどというのは、甘ったるい幻想にすぎない。(p.p.164-165)



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