Monday, March 19, 2018

池谷裕二『脳はなにげに不公平』

パテカトルの万脳薬
Ikegaya, Y. (2016). Nō wa nanige ni fukōhei: Patekatoru no bannōyaku. Tōkyō: Asahishinbunshuppan.

見ている夢を当てられる日も近い
...ATR脳情報研究所(当時)の神谷之康博士ら[は]、予め脳が様々な映像に対してどのような脳活動を示すかを測定しておくことで、寝ているときの脳活動から、どんな夢を見ているのかを当てられることを証明しました。(Horikawa, T, M. Tamaki1, Y. Miyawaki, and Y. Kamitani.Neuraldecoding of visualimagery during sleep. Science, 3 May 2013: Vol. 340 no. 6132 pp. 639-642)
 神谷博士らは工夫を凝らした判別関数を予測アルゴリズムとして用いました。さらに今回の研究では、寝ている人を起こして夢の内容を報告してもらっています。寝ぼけ頭脳なので途切れ途切れの曖昧な陳述ですから、巧妙な語彙分類法で、体系的に解析しました。(p.80)


言語マヒが生む天才⁉

ヤング博士らは、なんと健康な人の脳で実験を行いました。(Young, RI., Ridding, MC, Morrell, TL. Switching skills on by turning off part of the brain. Neurocase. 2004 Jun;10(3):215-22.)強力な磁気刺激装置で[言語や概念を司る]前部側頭葉をマヒさせてみたのです。もちろんマヒさせている間は言葉を話せません。しかし、17人中5人という低い確率ではありましたが、記憶力や描画力、計算力が増強したのです。この能力は言語マヒから回復するとともに、平凡なレベルに戻りました。(p.103)

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